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アメリカ環境省の勧告

ガンに対する心配から

アメリカ環境省は川や湖ばかりでなく、海でとれる魚や貝に含まれるダイオキシンの量を計測し、その濃度によって、食べてはいけない、2ヶ月に1回まで、週に1回まで、2回まで、などといった勧告をだしています。この数値は、ダイオキシンへの曝露がガンや肉腫の発生と関連があるということを示す、動物実験やヒトでの疫学調査をもとに計算されています。関係が疑われているガンは、すべての悪性腫瘍、唇、口腔、喉頭、肝臓、胆管、消化管、呼吸器系、リンパ系および造血組織のガンです。

妊婦、おっぱいをあげているお母さん、こどもたちに対する心配から

妊婦、胎児、授乳期の母親、乳児、発達中のこどもは特に心配です。発ガンよりずっと少量で影響があると考えられますし、いったん影響を受けると、その子の一生を決める、もう取り返しのつかない変化を与えてしまうこともあるからです。ダイオキシンの影響として外部生殖器の発育不全、停留精巣これがもたらす精子数、精子運動能力の低下、精子奇形率の上昇、口蓋裂、甲状腺機能低下、IQの低下、アレルギー、自己免疫疾患が考えられます。子宮内膜症、不妊症も疑われます。

日本の水産庁と環境庁の調査

日本でも、環境庁や水産庁が調査をおこないました。1,999年の水産庁の発表では、高濃度に汚染されている魚として、大阪湾のコノシロ、大阪湾、播磨灘(兵庫県)のアナゴ、東京湾(千葉県側)のスズキ、紀伊水道、瀬戸内海燧灘(愛媛県)のタチウオ、瀬戸内海周防灘(大分県)のボラ、などがアメリカ環境省(EPA)の食べてはいけない最低濃度よりずっと高濃度に汚染されていることがわかりました。これら高濃度汚染魚の特徴は、大阪湾、東京湾など人口密集かつ工業地帯をもち、海は、湾という、外海からは閉ざされた水の動きの少ない場所に棲んでいるのです。他に、いろいろな魚を食べて大きくなるマグロ(キハダ、カジキ、クロ)は外海を回遊しているにもかかわらず汚染されていることが多かったのです。また、北極近くのノルウェーの海でとれるサバやニシンにも汚染濃度がEPAの基準を超えるものが見つかりました。ダイオキシンが気流の関係で北極に集まりやすいことはよく知られています。 
環境庁は1,999年に、日本の河川、海域に棲む水生生物のダイオキシン濃度を計測しています。ここには、水産庁よりもっと多種類の魚や貝などのデータがあり、沿岸漁業や釣りでとれる魚貝類についての知識が得られます。

釣りの好きな人は安全なのでしょうか?

釣りは日本では趣味と実益を兼ねた、好まれるスポーツです。スポーツ紙はもとより、一般紙も、釣り情報を掲載しています。例をあげると朝日新聞の大阪版には、<新鮮釣り情報>というコラムがあり、大阪湾、瀬戸内海、若狭湾など、近畿圏で、釣り人達にどこに行くとどんな魚が獲れるか情報を提供しています。釣り人達や渡船業者のホームページをみると誰がいつどこでどんな魚をどのくらい釣ったかがわかることもあります。タチウオ、アジ、チヌ、コノシロ、サバ、などは大阪湾でよく取れる魚です。ところがこれらの魚を調べた環境庁のデータによるとEPAの食べてはいけない基準を大幅に上回っているのです。(チヌは大阪湾のデータではなく淡路のデータで代用しました。)関東地方の釣り情報を毎日新聞でみると、9月下旬の東京湾では、タチウオ、アジ、サバなどがとれています。冬や春、夏はスズキもとれるでしょう。ハゼは初心者でも簡単に釣れます。スズキ、タチウオやハゼは高濃度に汚染されていますし、アジ、サバも環境庁のデータでは、EPAの食べてはいけない基準を上回っています。 
釣りの楽しみは、釣れたときに感じる、<やった!!>という感じの他に、釣れた魚を持ち帰って家族や近隣の人達にふるまって喜んでもらえることでもあります。善意で配った魚が、実は高濃度に汚染されていて、健康を蝕む可能性があるとしたら、いたたまれない事ですね。小さい子供や妊娠中または授乳中のお母さんが食べることもあるでしょう。

近海物の魚は市場にも多く出回っています

日本の沿岸には多くの漁場があり、近海もののおいしい魚を私たちの台所に提供してくれています。汚染のはげしい東京湾や大阪湾でとれた魚も市場に出回っています。日本の沿岸は、地方によって差はありますが、工業地帯の側の海は汚染されています。わたしたちは、魚を食べるときに、その鮮度だけでなく、その魚が、どこで採れたもので、どのぐらいの汚染が予想されるか、どんな風に調理をすれば安全か、月にどのくらいなら食べても健康に害がないかという情報を知りたいのです。

輸入された魚も安全ではありません

水産庁が今年発表した、魚のダイオキシン濃度で最高値であったのは、日本人の大好きなマグロでした。では、日本の近海の魚は安全になったかというと、そうではありません。今まで高濃度に汚染されているとされた魚については調べていないだけなのです。

私たちはもっと生の情報がほしいのです

水産庁が10月27日発表した、情報では、魚介類の平均の汚染度は、健康に影響がない程度というものでした。しかし以前に高濃度の汚染がわかった魚は除外されているのです。今回は日本近海をおおまかにわけて、地域ごとの汚染も発表されています。汚染がひどいと考えられる東京湾、大阪湾などについては、湾でとれた魚貝類を区別して発表しています。しかし、これにも問題があります。私たちは、もっと局地的な汚染の実態を知る必要があるのです。引地川河口が荏原製作所の排水により、高濃度にダイオキシン汚染していた事実や、私たちの生活廃水やゴミの焼却がダイオキシン汚染の原因になっている事を考えると、自分の身近な海を汚染のない海、安心して食べられるおいしいお魚のとれる海として再生させるためには、企業はもちろんのこと一般市民にも十分な自覚と行動が必要とされるからです。それには、まず、汚染の実態を皆で共有することが必要なのです。

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