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日常生活の注意点

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4月になると、入学や就職でひとり暮らしをはじめる方が多いとおもいます。はりきってはじめた一人暮らしも、1ヶ月もすると、うつっぽい気持ちがでて、面白くない、何もしたくないという、いわゆる5月病に悩む人も少なくありません。

うつと食べ物

現代はストレス社会です。働く人たちで、仕事のストレスを感じている人は、全体の60%を超えており、20年前に比べ10%も増えています。なかでも、うつ病はとても多い病気です。日本の人口の15%が、現在うつ病だったり、うつ病にかかったことがあるといわれるほどです。自殺も1998年ごろから、特に4-50代の男性に顕著に増えています。女性も例外ではありません。欧米諸国に比べ、日本の自殺率は50代以上では、男女共に高いのです。うつの原因になるストレスは、働き過ぎをなくすとか、職場環境を改善するとか社会的に解決すべきことも多いのですが、自分や家庭でできるいくつかのことがあります。

私がおすすめするいくつかのことをお話しましょう。まず、朝起きたとき日の光を浴びることと、αリノレイン酸を多く含んだ油を食べることをすすめています。食事も出来るだけ和食にして、朝食の具沢山の味噌汁をすすめています。αリノレイン酸を多く含んだ油としては、私の経験では低温圧搾しぼりの亜麻仁油がききめが一番ありました。ある患者さんは、身に降りかかったショックのため何年も引きこもっていました。初めて受診された時、家族とご一緒でしたが、無表情でほとんど反応がありませんでした。そこで、亜麻仁油を大さじ2杯摂ること、朝日にあたることと漢方薬をおすすめしました。一週間後確かに表情に動きがでて、明るくなられた感じがしました。ご家族も大きな変化を実感しておられました。その後も積極性がでる、反応が早くなる、気持ちが安定するなど受診のたびに、よい変化がみられています。

うつの治療にはカウンセリングや標準的な抗うつ薬が使われます。標準的な抗うつ薬に加えてαリノレイン酸から生成するEPAを投与して、気分の落ち込み、罪悪感、無気力、不眠などの症状が改善したという報告があります。わたしは、EPAは魚油由来のものと考えられ、何を原料にしているかでダイオキシンなど環境汚染の心配が払拭できないため、有機栽培で超低温圧搾絞りの亜麻仁油をおすすめしています。
その他うつにいい食べ物としては、トリプトファンやフェニールアラニンといったアミノ 酸、硫黄を含んだ含硫アミノ酸であるメチオニンを含んだ食品がおすすめです。

トリプトファン;海苔、鰹、大豆、カシューナッツ、ゴマ、小豆、牛肉、卵
フェニールアラニン;鰹、秋刀魚、シラス干し、豚肉、卵
メチオニン;海苔、鰹、秋刀魚、シラス干し、豚肉、卵
くれぐれも外食ばかりで有害な油を取り続けないようにしましょう

月経困難症の西洋医学的治療

痛み物質であるプロスタグランディンを抑える、いわゆる痛み止め(抗プロスタグランディン剤)がよく使われます。(商品名、ポンタール、インダシン、ナイキサン、ブルフェン、ボルタレンなど)これらの薬は、解熱作用や排卵をおさえる作用があり、短期の使用はやむをえないとしても、長期間、または多量に飲むことはおすすめできません。 
ピルも最近では、月経痛に効く生活改善薬と称して、ピルをすすめる医師達により宣伝されています。わたしはこの考えに賛成できません。くわしい科学的理由は“ピルの危険なはなし”をお読みいただきたいのですが、月経期間の痛みをとることのため、一ヶ月まるまる化学薬品に体や心を委ねてしまうことに疑問があるからです。女性は月経周期と共に、免疫力や感性も微妙に変化しています。この変化を楽しむことが女性の特権であり、女性の健康の源になりうるのです。この権利を放棄することが、ピルを飲むことです。排卵を抑えるピルによる月経(もどき)は病的な出血であり、だからこそ出血量も少なく、痛み物質プロスタグランディンの量も少ないのです。
本当の治療は、排卵のある月経がきちんと来て、しかも痛まないということです。

漢方医学の考え方

漢方医学では、月経困難(月経痛)は、体全体の機能の異常が、たまたま、月経異常というかたちをとって表われていると考えています。ですから、治療の目標は、体全体を健康にするということです。体が健康になれば、月経はきちんとやってきて、しかも痛まないのです。
(この考え方からすると、ピルを飲んで月経を病的な無排卵状態にしたり、ダナゾ-ルやスプレキュァなどで月経をとめたり痛みどめを飲み続けるなどというのは、治療とはいえず、新しい病気をつくっているといえるのです。)

漢方の診断法 薬はオーダーメイド

漢方医学では、月経痛が月経周期のどの時期におこるか、痛みの性質、月経血の量、血液の色、おなかをさすられるのを好むかどうか、むくむかどうか、暖めると痛みが軽くなるかどうか、おなかが張る感じや腸内のガスなどを総合して診断し、薬を決めます。ほっそりしているか、がっちりしているかというからだつきの特徴や肌の色も重要な決め手です。(漢方の言葉では、気、血、水の虚実、鬱滞などによって言い表されます。これについては章で説明しています。)また、同じ人でも時期によって状態が異なり、それによって薬が変化します。
ですから、漢方では、薬はいわばオーダーメイドで、その人に応じ、また、その時期に応じた処方が必要です。ここでは、わたしのクリニックでよく使う二三の処方をあげることにします。でも、できるだけ受診してください。そうして、あなたにあったを薬を一緒にみつけましょう。

痛みをなんとかしたい

月経痛でこられる方の大部分は、次の月経のときに、あの痛みをどう避けようと悩んでおられる方です。そこで、次の月経がもうすぐくる時には、なるべく即効性のある、痛みを止める作用の強い薬をおだしします。

安中散と疎経活血湯

これらの薬を痛みがはじまる少し前から飲むことをおすすめしています。これらの薬は、根本的な体の改善より、どちらかというと痛み止めの作用を重視して処方しています。それでも、たとえば安中散は、痛み止めの作用の他、弱いながら、体を温める作用もあります。疎経活血湯も痛みを止める作用が主なのですが、血管を広げ、血流を良くし、体の組織の間にたまった水分を取り去る作用や体を温める作用があります。貧血を治し、消化管の働きを助ける作用をもつ生薬も含まれています。
この中でみなさんにもおなじみの生薬は、安中散では、桂皮(ニッキ)、ウイキョウ、良姜(生姜のなかま)でいずれも体を温めます。疎経活血湯の中では温め、むくみをとる生薬でみなさんにおなじみのものはないのですが、女性の自律神経や内分泌系のトラブル(冷え、月経不順、産後あるいは流産後の回復など)によく使われる四物湯という薬の成分(川キュウ、トウキ、芍薬、地黄)がすべて含まれています。その他、血液をきれいにする作用をもつ桃仁(桃の種にある仁)や、胃の調子をととのえる生姜が入っています。ふらつき、めまい、ふるえ、けいれん、頭痛、しびれをおさえ痛みをとめるリンドウの根が、疎経活血湯には、また、おなじ作用をもつ牡蛎(かきの殻)が安中散には、入っています。

痛い時、いろいろな漢方薬と合わせて使うのは、芍薬とカンゾウです

芍薬とカンゾウ(甘草)をあわせたものを芍薬甘草湯といって、筋肉のけいれんを止めて、痛みを止めます。この場合の芍薬は白芍薬で痛みを止める作用の他、血液を造る作用(補血作用)があります。カンゾウはその甘さを利用して、醤油などの食品添加物としても使われています。生のカンゾウではなく、炒ったカンゾウ(シャカンゾウ)が、芍薬甘草湯の構成成分であるはずなのですが、エキス剤の芍薬甘草湯では、生のカンゾウが使われています。この組み合わせでも痛み止めには、効きますが、シャカンゾウの方が、白芍薬の吸収を助け、全体として、月経困難の痛みには優れた効果があるのです。ですから、エキス剤の芍薬甘草湯の薬の効き目がもうひとつという時、自分で作ってみるのもおすすめです。

自分でできるいくつかの方法

ここで少し寄り道をして、比較的簡単に手に入る生薬やハーブを紹介しましょう。

芍薬甘草湯の作り方

中華料理の食材のお店で、芍薬とカンゾウを買いましょう。生のカンゾウはフライパンで弱火で焦がさないように炒ってください。6グラムずつ、600ミリリットルの水にいれて、半分になるまで、煮つめましょう。あと、茶漉しでこして飲んでください。

ハーブ

サフランのめしべ

ちょっと高価なものですが、サフランのめしべを数本カップに入れ、熱湯をそそぎます。お湯が黄色く色付いたら、熱いうちにお飲みください。 
サフランは、骨盤の血のめぐりを良くし、血液をさらさらにして、痛みを止めます。

カモミール、ラベンダー

これらは、よく知られているハーブですね。カモミールは、体を温め、また、気分をリラックスさせる働きがあります。

もっと簡単で、大切な事

月経困難症の治療に有効なのは、まず、体を冷やす生活を改めることです。食生活でも体を冷やす食べ物を出来るだけ、避けることです。実際、体を冷やす生活を改めたおかげで、一回漢方薬を出しただけで、救急車で運ばれるほど痛かった月経の痛みを以後感じることがなくなったという人もおられます。

足湯のすすめ

月経で実際に痛い時、おすすめするのは、足湯(*注)です。バケツとポット(マホウビン)を用意しましょう。やかんにたっぷりお湯を沸かし、水を適当に入れて、足がようやく浸かるぐらいの温度に調整してください。お湯の量は、くるぶしから指三本あがったところまで浸かる位にしてください。お湯が冷めてきたら、ポットのお湯を足しましょう。6分したら良く拭いて下さい。長い時間かけるより、何回かくりかえす方が効果的です。足のくるぶしから三本指上がったところは、三陰交というツボです。また、足の裏には、たくさんのツボがあり、足を温めることは、体の働きを活発にして、自然治癒力を高めます。

寝相の観察をしましょう

寝ている格好はみられないって?確かにその通りです。でも、お布団の中でしばらく、静かに横になっていると、体の癖がでてくるものです。月経痛のある人の場合、無意識にどちらかの脚を少しおりまげています。腸骨は骨盤の大きな骨です。腸骨の開き方の歪みを調整する為に、無意識に脚を折り曲げているのです。腸骨を触ってみましょう。左右の腸骨の上縁を結んだ所に、第四腰椎があります。そのひとつ上の骨が第三腰椎です。触ってわかりましたか?背骨の中心の突起を触ってみてください。 むずかしい?ほんとうにね!!

月経痛を治す体操

今言った事がわかれば、この体操は簡単です。でも、今わからなくても、諦めないでください。あなたが、ほんの少し、あなたの体の言葉に敏感になれば、わかることですから…。 
あおむけに寝て、先程の寝相をつくってみましょう。片方の脚は、内くるぶしが腸骨から真っ直ぐに下ろした線の外側になっていますか?息を吐きながら、両足を(太腿もいっしょに)少し持ち上げて下さい。力が第三腰椎にかかったら、息を吐ききった瞬間に足先を落としそのまましばらくじっとしていましょう。月経のはじまる2日前にやってみてください。

三陰交

先程三陰交のお話しをしました。三陰交を刺激したり、お灸をすえたりしてみてください。月経がはじまる4-5日前からはじめましょう。三陰交は消化器の経絡、生殖器の経絡、肝の経絡が交わる場所であり、体にとってとても大切なツボです。

湧泉

足の裏の親指の付け根にふくらみがありますね。他の4本の指たちの付け根のふちからずっとたどると、漢字の人の字が描けますね。人の字の二つの線が交わる辺りに、このツボがあります。図で見るともっと簡単でしょう? 湧泉は冷えのツボで、ここを刺激すると冷えが改善されるのです。

血海

ひざ小僧の内側、上縁にあります。血液の循環に関係するツボなので、ここを刺激すると血液の流れがスムーズになり、血の鬱滞による月経痛を治します。気がついたら時々、刺激してください。

さかな大好き!

わたしたち日本人は魚や貝の好きな国民です。刺し身やてんぷら、煮魚、焼き魚、オイル漬け、発酵させるなどいろいろな形で魚を食べます。味噌汁や澄まし汁などにも魚のダシは欠かせません。油の乗ったトロや東京湾でとれる、江戸前のアナゴなど高価ですが人気のあるご馳走です。土用の丑の日には多くの人々が暑さを乗りきって元気で過ごす為、うなぎを食べます。魚に多く含まれている不飽和脂肪酸のEPAやDHAはコレステロールを下げ、動脈硬化、高血圧など成人病を予防するといわれています。ボケ防止にも良いという研究があって、とてももてはやされています。一日80グラムの青魚を食べ、最低2回の黄緑色野菜を食べるとアルツハイマー病の発症を予防できるという研究もあります。宮田らの調査では、日本人は魚や貝を一日平均90グラム食べていますが、ドイツでは15グラム(ベックらによる)、カナダでは2グラム(バーミンガムらによる)です。

アメリカ州政府の心配

一方、アメリカでは、19の州政府が特定の地域の川や湖でとれる魚に含まれるダイオキシンを問題にし、<魚を食べることについて>の59もの勧告を出しています(1998年当時)。アメリカでは特定の川や湖でとれる魚を食べることはそれほど一般的なことではありません。しかし、その地域の川や湖の魚が高濃度にダイオキシンに汚染されている事がわかり、汚染度の高い魚を食べることで住民が健康を害する事のないよう、州政府は守る義務があると考えたのです。趣味だとか自給自足の為に、釣った魚をたくさん食べる人たちの他に、毒物に対する感受性の強い妊婦、胎児、授乳期の母親、乳児や子供の事を心配した為です。

ガンに対する心配から

アメリカ環境省は川や湖ばかりでなく、海でとれる魚や貝に含まれるダイオキシンの量を計測し、その濃度によって、食べてはいけない、2ヶ月に1回まで、週に1回まで、2回まで、などといった勧告をだしています。この数値は、ダイオキシンへの曝露がガンや肉腫の発生と関連があるということを示す、動物実験やヒトでの疫学調査をもとに計算されています。関係が疑われているガンは、すべての悪性腫瘍、唇、口腔、喉頭、肝臓、胆管、消化管、呼吸器系、リンパ系および造血組織のガンです。

妊婦、おっぱいをあげているお母さん、こどもたちに対する心配から

妊婦、胎児、授乳期の母親、乳児、発達中のこどもは特に心配です。発ガンよりずっと少量で影響があると考えられますし、いったん影響を受けると、その子の一生を決める、もう取り返しのつかない変化を与えてしまうこともあるからです。ダイオキシンの影響として外部生殖器の発育不全、停留精巣これがもたらす精子数、精子運動能力の低下、精子奇形率の上昇、口蓋裂、甲状腺機能低下、IQの低下、アレルギー、自己免疫疾患が考えられます。子宮内膜症、不妊症も疑われます。

日本の水産庁と環境庁の調査

日本でも、環境庁や水産庁が調査をおこないました。1,999年の水産庁の発表では、高濃度に汚染されている魚として、大阪湾のコノシロ、大阪湾、播磨灘(兵庫県)のアナゴ、東京湾(千葉県側)のスズキ、紀伊水道、瀬戸内海燧灘(愛媛県)のタチウオ、瀬戸内海周防灘(大分県)のボラ、などがアメリカ環境省(EPA)の食べてはいけない最低濃度よりずっと高濃度に汚染されていることがわかりました。これら高濃度汚染魚の特徴は、大阪湾、東京湾など人口密集かつ工業地帯をもち、海は、湾という、外海からは閉ざされた水の動きの少ない場所に棲んでいるのです。他に、いろいろな魚を食べて大きくなるマグロ(キハダ、カジキ、クロ)は外海を回遊しているにもかかわらず汚染されていることが多かったのです。また、北極近くのノルウェーの海でとれるサバやニシンにも汚染濃度がEPAの基準を超えるものが見つかりました。ダイオキシンが気流の関係で北極に集まりやすいことはよく知られています。 
環境庁は1,999年に、日本の河川、海域に棲む水生生物のダイオキシン濃度を計測しています。ここには、水産庁よりもっと多種類の魚や貝などのデータがあり、沿岸漁業や釣りでとれる魚貝類についての知識が得られます。

釣りの好きな人は安全なのでしょうか?

釣りは日本では趣味と実益を兼ねた、好まれるスポーツです。スポーツ紙はもとより、一般紙も、釣り情報を掲載しています。例をあげると朝日新聞の大阪版には、<新鮮釣り情報>というコラムがあり、大阪湾、瀬戸内海、若狭湾など、近畿圏で、釣り人達にどこに行くとどんな魚が獲れるか情報を提供しています。釣り人達や渡船業者のホームページをみると誰がいつどこでどんな魚をどのくらい釣ったかがわかることもあります。タチウオ、アジ、チヌ、コノシロ、サバ、などは大阪湾でよく取れる魚です。ところがこれらの魚を調べた環境庁のデータによるとEPAの食べてはいけない基準を大幅に上回っているのです。(チヌは大阪湾のデータではなく淡路のデータで代用しました。)関東地方の釣り情報を毎日新聞でみると、9月下旬の東京湾では、タチウオ、アジ、サバなどがとれています。冬や春、夏はスズキもとれるでしょう。ハゼは初心者でも簡単に釣れます。スズキ、タチウオやハゼは高濃度に汚染されていますし、アジ、サバも環境庁のデータでは、EPAの食べてはいけない基準を上回っています。 
釣りの楽しみは、釣れたときに感じる、<やった!!>という感じの他に、釣れた魚を持ち帰って家族や近隣の人達にふるまって喜んでもらえることでもあります。善意で配った魚が、実は高濃度に汚染されていて、健康を蝕む可能性があるとしたら、いたたまれない事ですね。小さい子供や妊娠中または授乳中のお母さんが食べることもあるでしょう。

近海物の魚は市場にも多く出回っています

日本の沿岸には多くの漁場があり、近海もののおいしい魚を私たちの台所に提供してくれています。汚染のはげしい東京湾や大阪湾でとれた魚も市場に出回っています。日本の沿岸は、地方によって差はありますが、工業地帯の側の海は汚染されています。わたしたちは、魚を食べるときに、その鮮度だけでなく、その魚が、どこで採れたもので、どのぐらいの汚染が予想されるか、どんな風に調理をすれば安全か、月にどのくらいなら食べても健康に害がないかという情報を知りたいのです。

輸入された魚も安全ではありません

水産庁が今年発表した、魚のダイオキシン濃度で最高値であったのは、日本人の大好きなマグロでした。では、日本の近海の魚は安全になったかというと、そうではありません。今まで高濃度に汚染されているとされた魚については調べていないだけなのです。

私たちはもっと生の情報がほしいのです

水産庁が10月27日発表した、情報では、魚介類の平均の汚染度は、健康に影響がない程度というものでした。しかし以前に高濃度の汚染がわかった魚は除外されているのです。今回は日本近海をおおまかにわけて、地域ごとの汚染も発表されています。汚染がひどいと考えられる東京湾、大阪湾などについては、湾でとれた魚貝類を区別して発表しています。しかし、これにも問題があります。私たちは、もっと局地的な汚染の実態を知る必要があるのです。引地川河口が荏原製作所の排水により、高濃度にダイオキシン汚染していた事実や、私たちの生活廃水やゴミの焼却がダイオキシン汚染の原因になっている事を考えると、自分の身近な海を汚染のない海、安心して食べられるおいしいお魚のとれる海として再生させるためには、企業はもちろんのこと一般市民にも十分な自覚と行動が必要とされるからです。それには、まず、汚染の実態を皆で共有することが必要なのです。

魚をたくさん食べましょうというのが最近の健康ニュースでよくある記事です。わたしたち日本人は魚や貝の好きな国民です。刺し身やてんぷら、煮魚、焼き魚、オイル漬け、発酵させるなどいろいろな形で魚を食べます。味噌汁や澄まし汁などにも魚のダシは欠かせません。油の乗ったトロや東京湾でとれる、江戸前のアナゴなど高価ですが人気のあるご馳走です。土用の丑の日には多くの人々が暑さを乗りきって元気で過ごす為、うなぎをたべます。摂南大学の宮田氏らの調査では、日本人は魚や貝を一日平均90グラム食べていますが、ドイツでは15グラム(ベックらによる)、カナダでは2グラム(バーミンガムらによる)です。 
アメリカ心臓協会(AHA)は、健康な人は心疾患を予防する為に、魚類をとるべきという食事摂取ガイドラインをだしていました。健康な成人は、サバ、鱒、ニシン、イワシ、マグロ、鮭などを週2食分以上摂るようにすすめてきたのです。これらの魚にはω3系脂肪酸であるイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富に含まれているからです。EPAやDHAは植物由来のω3系脂肪酸であるαリノレン酸から 
魚やヒトの体内でつくられます。αリノレン酸は、大豆、小豆、エゴマ、菜種油、ジャガイモ、えんどう豆、かぼちゃ、シュンギク、こまつな、紫蘇などに多く含まれています。 
このガイドラインは、アメリカ環境保護局(EPA)とアメリカ食品医薬品安全局(FDA)が最近公表した、魚介類汚染の現状にたいする注意点も考慮して改訂されました。(EPAとFDAは魚がメチル水銀に汚染されていることから、魚は一週間に(標準体重の人で)340グラム程度で、汚染が少ないさまざまな種類のものを食べるように勧告しているのです。) 
ω3系脂肪酸は脂質として優れているだけでなく、心臓にも好ましい影響を与える。ω3系脂肪酸の摂取により、心筋梗塞の原因になる血栓が形成されにくくなり、心臓突然死の引き金になる不整脈の予防にも関係する。と、勧告はのべています。しかし、どういう時期に、誰が摂るかが問題です。こどもや妊婦、授乳期の女性は、魚を食べることで過剰な量の水銀にさらされる危険を考えなければなりません。こどもや妊婦、授乳期の女性は、いっぱんに心血管疾患の低リスクグループなので、汚染のおそれのある魚を避けることがより優先されるというのです。一方、中高年男性や、閉経後女性では、ガイドラインで示された範囲内で魚を食べることがリスクをはるかに上回るのというのです。 
日本の場合、海のダイオキシン汚染は深刻で、ダイオキシン摂取についての注意を含めたガイドラインが必要でしょう。このことはいずれお話しましょう。次回は脂肪のとりかたについて。

(注)アメリカの場合標準体重は70kgですが、日本では50kgです。
(注)ω3系脂肪酸生きていくのに必要な不飽和脂肪酸で、ヒトの体内で合成が出来ない必須脂肪酸のひとつ。必須脂肪酸にはω3系脂肪酸、ω6系脂肪酸があるが、ω3、ω6は二重結合の位置によって付けられた名前。二重結合があると脂肪は植物油や魚油のように常温で液体になります。

増加する女性のスモーカー

お昼にレストランで食事をしていると、近くの席からタバコの煙が漂ってくることがあります。食事の味が変わってしまいますし、受動喫煙の害も心配です。タバコを吸っている人を見てみると、若い女性であることが多いのです。
最近、女性、特に20代の女性に、喫煙者が増えているようです。厚生労働省によると、女性全体の喫煙率は13.4%であるのに対し、30代では19.8%、20代女性の喫煙率は23.8%、と高くなっています。
喫煙者に吸う理由を質問すると、「太らないため」「便秘をしないため」「気持ちを落ち着かせて集中力をUPさせるため」などと答えます。しかし、これらの効果の有効性には疑問がある上、ずっと多くの害をもたらします。

喫煙が原因となる病気

喫煙で肺ガンが増えることは、よく知られていますが、他にも心筋梗塞、不整脈、慢性閉塞性肺疾患など多くの病気を誘発します。
女性の場合は、子宮頸ガン、子宮頚部異形成の増加が報告されています。月経不順や不妊も増え、閉経年齢も1~2年早まり、閉経後の骨粗しょう症による骨折も多くなります。40歳以上の閉経前の乳ガンは、喫煙女性に多くなっています(ただし、閉経後になると、喫煙者と非喫煙者の差はなくなりますが)。
また、肌荒れ、アトピーの増加もあります。妊娠中の喫煙にも、体への深刻な影響があります。子宮外妊娠、染色体異常を伴わない流産、前置胎盤、破水が増える他、出産した子どもに低出生体重児、乳児死亡の増加や3歳までの病気になりやすくなることも報告されています。また、喫煙者ではエイズの母子感染が増えるともいわれています。

喫煙中は一酸化炭素中毒の状態

タバコを吸うと、体の隅々に酸素を渡す能率が悪くなり、酸素不足になります。これは、血球の持つヘモグロビンに一酸化炭素が強固に結合し、呼吸によって取り込まれた酸素が結合できなくなり、一酸化炭素中毒になるからです。集中力がなくなるという実験結果もあります。こういった話をして禁煙を勧めますが、すべての人が辞められる訳ではありません。体に悪いのに、なぜ辞められないのでしょう?
それはニコチンが嗜癖(しへき)を起こし、タバコなしではいられなくするからです。特に10代で吸い始めると嗜癖にかかりやすく、20代以後に吸い始めた人より辞めるのが難しくなります。その他、タバコの煙にはタールなど、毒性のある化学物質がたくさん含まれています。かっこいい女性が優雅にタバコをくゆらす広告に惑わされて、あなたの若さと健康を台無しにしないようにしてください。